起業・副業

まずは副業・個人事業からスタート【20代起業成功コラム】

(※2014年5月1日に投稿した記事です。)

個人事業主?法人化?

起業するにあたって「個人で始めるか?法人設立するか?」ということはよくある質問かと思います。
ムダ・ムリなく着実な起業実現を目指すにあたって、まずは個人事業としてのスタートをおすすめします。個人で事業をスタートし、軌道に乗せてから法人化する流れです。
以下、個人事業と法人(株式会社・合同会社)の違いをざっくりと見て行きましょう。

設立時の費用・手間

まず、金銭的な面で違いが生じます。
一つ目は、設立(届出)時にかかる費用です。

・個人事業:なし
・株式会社:およそ21~28万円程度(*委託する専門家により変動します。)
・合同会社:およそ6~11万円程度(*委託する専門家により変動します。)

個人事業の場合は、開業を届け出るにあたってかかる費用はありません。業種によりますが、開業時に費用がかかるとしたら、ホームページや名刺、印鑑の作成費くらいでしょう。届出の必要な書類も煩雑なものはなく、手間はほとんどかかりません。(個人事業開廃業等届出書、青色申告承認申請書、個人事業開始申告書)

一方、法人を設立する場合は、最低でも以下の費用が発生します。

・定款認証手数料:5万円(合同会社の場合:不要)
・定款印紙代:4万円(電子認証の場合は不要)
・登録免許税:15万円(合同会社の場合:6万円)

合わせて、法人印鑑(実印)作成費や資本金が必要となります。

法人設立は、専門家に委託せず自力で行うことも可能です。ただ、起業時の貴重な時間を不慣れな作業に費やすことはあまり得策ではありません。
また、定款の電子認証に対応している会社設立代行の会社や専門家に委託すると、定款印紙代4万円を節約できます。そのため、委託費用との差額によっては、自力で設立するよりもお金も時間も無駄に費やさずに済みます。

資本金については、最初に数百万円のまとまった資金を用意せずとも、「資本金 1円」として設立することも可能です。ただ、登記事項証明書や定款に「資本金 1円」と記載されるため、法人としての信用力はどうなのか…と個人的には感じます。
また、資本金1円となると、設立直後から売上がたたない場合、発生する経費は社長借入などで賄うことになると思いますが、後々経理上の処理が面倒です。

税金について

【法人の場合の税金】
■国税
・法人税
・消費税(事業開始2年間あるいは前々事業年度の課税売上高1,000万円以下の場合は納付免除。平成25年1月1日以後に開始する年又は事業年度からは、前事業年度上半期の課税売上高が1,000万円を超えると、先述の場合でも課税)
■地方税
・法人事業税(都道府県。利益が出ていない場合は支払いなし)
・法人住民税(都道府県。赤字でも均等割額2万円~納付が必要)
・法人住民税(市町村。赤字でも均等割額5万円~納付が必要)
+事業主個人にかかる
・所得税
・住民税(都道府県)
・住民税(市町村)

【個人事業の場合の税金】
■国税
・所得税
・消費税(事業開始2年間あるいは前々年の課税売上高1,000万円以下の場合は納付免除)
■地方税
・個人事業税(都道府県。事業所得290万円以下は免税)
・住民税(都道府県)
・住民税(市町村)

所得税・法人税は、事業から得られた利益に対して課される税金です。課税所得金額によって税率と控除額が決まっています。
売上や利益がいくらを超えたら法人の方が得か、ということはなかなか一概には言えないようです。
おおよそ「課税所得400万円以上」「売上1,000万円」あたりが目安という話は聞いたことがあります。

ただ厳密には、役員報酬をいくらに設定するか、利益率はいくらか、家族を従業員として給与を支払うかなど、様々な条件によって目安は変わります。売上を目安としてみるのはあまり意味がなさそうです。

※2020年追記:「法人と個人事業どちらがいいか、法人にするなら役員報酬はいくらにするといいか」ということを、シミュレーションできるExcelファイルを昨年つくりました。
しっかりと税金を納めつつも、より手元に多くお金が残るような選択肢がわかりやすくなりました。

公開・共有していいものか、価値があるものか、専門家にも見てもらった上で、おいおい何かの機会に共有させていただくかもしれません。

とりあえず、法人の方が節税のための手段が豊富であることは言えると思います。

法人設立のメリット・デメリット

法人化のメリットとして大きいのは、やはり「信用力の高さ」ではないでしょうか。
法人相手でなければ取引しない企業はたくさんありますし、人材を募集する際も、個人事業としての採用募集よりも法人としての採用募集の方が安心感が高く、人材を集める機会を逃しにくいと言えるかもしれません。
ただそうは言っても、法人だからといって、知名度も低く歴史も浅い会社が簡単に信用されるとは限らないですし、法人だからといって簡単に売上が上がる訳ではありません。個人事業、法人設立、どちらを選ぶとしても、事業を軌道に乗せられるかどうかは、経営トップである社長自身にかかっていると思います。

もう一つのメリットは、節税対策の手段が豊富である点です。過剰な節税は問題ですが、利益が上がれば、ある程度の節税対策が必要となります。給与所得控除の活用、退職金課税の活用などは、個人事業ではできない節税対策です。

一方、デメリットは以下が挙げられると思います。
・赤字でも税金がかかる(法人住民税の均等割:年7万円)
・社会保険への加入義務(保険料が国保・国民年金に比べ髙くなる)
・手続きや管理に手間がかかる(会計処理や法人税申告・社会保険や労働保険の手続き・登記事項の変更などの手続き)
・設立や清算(解散)にも費用がかかる

デメリットは、お金と手間に関することが多そうです。
総合的に判断すると、まずは個人事業で起業スタートし、軌道に乗せてから法人化するという流れがいいかと思います。

個人事業からのスタートをおすすめします

費用がかかるとは言えメリットも大きい法人化ですが、初年度からある程度の売上・利益が見込まれるとしても、まずは個人事業としてのスタートをおすすめします。「ローリスクで着実な起業・事業活動」という点において、個人事業としてのスタートが適しています。

個人事業は、開業も廃業も費用がかからず、手続きも比較的簡単です。
法人の場合は、設立時だけでなく、清算する(潰す)際にもお金がかかります。

個人事業のデメリットとしては、以下が挙げられます。
・法人に比べて信用度が低い。個人だと取引できない企業もある。従業員を集めにくい。
・事業活動に対し、個人でどこまでも責任を追わなければならない。(万が一の場合、個人で弁済する必要がある)
・所得が上がるほど税金が多くなる。(累進課税)

事業内容や見込まれる規模によりますが、上記のデメリットは、起業時にさほど懸念することではないかと思います。まずは、個人事業として始めて、着実に事業が軌道に乗ってきた頃に法人化しても遅くはありません。
個人的には、個人事業としてうまく行かないくらいなら、法人化したところで大した実績は作れないと思います。

また、個人事業開業後、会社設立後のそれぞれおよそ2年は、消費税の納付が免除されます。
個人事業として開業し2年経過したのちに法人(資本金1,000万円未満)を設立すると、合計およそ4年間分の消費税の納付が免除されます。
その後も、前々事業年度の課税売上高1,000万円以下の場合は納付免除されます。ただし、平成25年1月1日以後に開始する年又は事業年度からは、前事業年度上半期の課税売上高が1,000万円を超えると、先述の場合でも課税されます。

消費税が免除されることが必ずしも節税につながるとは限らないため、起業後の節税対策等については顧問税理士とご相談されることをおすすめします。

退職する前に、自分のビジネスで売上を立てる経験をする

現在お勤め中の会社の就業規則等で副業を禁止されている方も多いかもしれませんが、可能であれば在職中に副業としてスタートし、売上を立てる経験をすることがキーになると思います。

会社を辞めて、自分のビジネスに本腰を入れて取り組めるようになるからといっていきなりうまく行くわけではありません。営業・宣伝、受注や請求、経理処理など、やるべきことはたくさんありますが、会社を辞めていきなりゼロから始めたら、いつ軌道に乗せられるかも見えず、より一層不安も大きいと思います。
会社を辞める前に、受注や請求、入金確認など一連の流れを経験していれば、起業しているという実感も持てますので完全独立の実現に近づきやすいですし、退職後の行動にも違いが出るかと思います。この経験があることで、独立起業がより現実味を帯びますし、次にすべき具体的な行動もわかるようになってきますので、スムーズな完全独立につながりやすいはずです。